革命的悪文日記

ネコに飼われている学生が悪文で色々書いています

ダーリンインザフランキス

少し遅れてダーリンインザフランキスの11話まで観ました。
この手のディストピア系アニメは久々に観た気がします。

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TRIGGERとA-1 picturesの共同制作のオリジナルものなので期待大(というかすでに期待以上?)って感じです。


考察……とまでは言えませんが、つらつらと書いていきたいと思います。

ストーリー
──新たなエネルギー「マグマ燃料」を手に入れ、移動要塞都市に移り住むようになった人類は正体不明の敵「叫竜」に対抗するために男女二人乗りロボット兵器「フランキス」を開発する。そのパイロット「パラサイト」としてだけ育成されたコドモたちの物語


冒頭のモノローグや移動要塞都市の中での出来事から、両性具有(雌雄同体)が完全な存在とされているようですが、セクハラやパートナー(結婚相手に近い)といった慣習や要塞都市以外の街や生活跡(本とかポスターの紙媒体が残っているのは描写されている)は完全には消え去っておらず、めちゃくちゃ気が遠くなるほど未来というわけでもなさそうです。

両性具有(雌雄同体)が完全視されている(錬金術の世界かよ)ためなのか、コドモ(なぜかカタカナ表記。動物の名称のように区分するためか?)たちは思春期でありながら性的知識や男女の交わりなどという文化を理解しておらず、コドモからオトナへの成長というのも夢であるかのように描かれていることから、現代でいう文学や保健体育などの文化・教育は存在しないんでしょうね。ゼロツー(ポスター中央上部の赤い角付き)という一石によってそれぞれが他者に対して特別な感情を抱くようになったのですけれど、感情表現が幼かったり、家族的感情と恋愛感情を混同していたり、語彙がない(そもそも第13プランテーションでは該当する言葉自体が存在しない)ために表現しきれなかったりで観ているこちらとしてはもどかしさがありますけどいいですよね~同質の者同士が集まって特に波風の少なかった環境に異分子が紛れ込んで自らに疑問を持ったりする「この子を救いたい」系のロボットアニメによくみられる描写~

追記(2018/03/29)
両翼の翼≒他者の存在(自己とは別の存在があること)によって自らが証明される、男がいるから女がいる。また逆も然り。みたいな感じなのかな。


制服の赤い部分は染色体をモチーフにしていますね。
XY染色体⇒オス、XX染色体⇒メス
トリミング済み
染色体となるとロゴのXXも何かあるのかなぁとか考えちゃいます。
あとは赤と青から動脈静脈、人間の血液の赤と叫竜の血液の青とか。
rogo

追記(2018/03/29)
染色体XX→メス
青と赤→叫竜と人間
XX=ゼロツー


ピスティル(ここではめしべではなく、フランキスパイロットの女性の呼称)の戦闘服は白無垢がモチーフですかね。

ピスティルとステイメン(男性パイロットの呼称。英語でおしべ)からも分かるように用語が花と鳥関係する名前からよく取られています。
c_strelizia
ストレリチア極楽鳥花

c_delphinium
デルフィニウム大飛燕草

c_argentea
↑アルジェンティア(鶏頭

c_genista
↑ジェニスタ(金雀枝

c_chlorophytum
↑クロロフィッツ(折鶴蘭

それぞれ花(英名や学術名)と鳥(和名)に関わる名称がつけられています。
ゼロツーがはちみつばかりを食べていたのもおしべ・めしべの受粉に対して、ゼロツーというどこからかやってきた鳥が花の蜜(≒黄血球?)を吸い取るとかの暗示なんですかね。ゼロツーのパートナーになったステイメンが「吸い取られる」とか表現していたのも花が関係している?



stand_pc

人類統治機関APEの人たちや要塞都市の住民はすべて仮面を着用しているのですが、APEではサル(APEだし…)をモチーフにしていて、住民の仮面に色や表情がないのは、それぞれが他者の存在を必要としない完全な存在(生物的なものかはわからないが)になって表情やそのほかのコミュニケーションを必要としなくなったということからですかね。



とまぁ色々と考えられますが、このへんの伏線がすべて回収されたわけではないので2クール目で色々明らかになってほしいところです。


いやぁ~思想的な背景まで描かれているSFはいいですね。