革命的悪文日記

ネコに飼われている学生が悪文で色々書いています

補給線と営業

先日ある関係でとある広告代理店に行ってきました。携帯会社のCMや国家事業なんかも請け負って、この間はワタミと同様にブラック企業にノミネートされていたあの大企業です。

社内を少しだけ見学させてもらえたのですが、食堂を出ると「パワハラ労働組合に相談を!」とかエレベーターでは「終業時間を早めましょう」と様々な形で社内環境の改善を試みていました。
パワハラに関しては労働組合に相談するのが適切であると自分は思うのですが、「終業時間を早めましょう」とエレベーター内で呼びかけるのには違和感を覚えます。大企業(=元受け)ですから、その下には下請けや孫請けの企業が存在します。元受けが受注する仕事量は変化せず、作業速度も著しい変化がなかった場合、終業時間を早めたことによって元受けで飽和した仕事は下請け、孫請けへと流れていきます。すると下請け以降では仕事の帳尻を合わせるために

・人員を増やして作業を進める
・現在の人員数で何とかする

これらが下請け企業の行動可能な選択肢となります。
増えた分の人件費出すより、残業代出していたほうが短期的にみて安上がりなので上の選択肢はなかなか選ばれません。必然選ばれる下の選択肢では社員のオーバーワークは避けられず、定時退社は見込めません。


元受けの大企業だけが定時退社というのはおかしい。
大企業だけでなく、中小企業も定時退社が行えるようにならなければいけないと思うのです。
そのために営業職や窓口は自社の引き受けられる仕事量を把握し、それを基に営業を行うべきであり、現在の『「あれもできます」「これもできます」』状態ではいずれ破綻してもおかしくはないと思うのです。

かつて「中国と戦えます」「米英とも戦えます」と言って戦線を拡大していった結果、補給線は貧弱となり、補給の途絶えた前線では戦闘継続は困難に……となった第二次世界大戦から一体何を学んだのかと疑問に思ってしまいます。